催眠の危険性、誤解、偏見

催眠の危険性については様々な意見があります。多くが誤解であり、いくつかは的を得ています。研究や事例などを紹介して解説するのが良いのでしょうが、何せ面倒なので(笑)簡単に説明するに留めておきます。

Q. 催眠が解けないことってあるの?
A. あるそうです。これは催眠術であそんでいた子どもの事例なのですが、意識混濁状態になってしまいました。これは現実と催眠下のファンタジーとの境界を曖昧にさせるような暗示が原因だったと考察されています。

Q. 催眠の副作用はあるの?
A. あります。頭痛やめまいなどがあげられます。これらは覚醒を十分に行っていなかったり、強引な催眠誘導で生じることがあります。頭痛が一生治らなかったというケースもあります。このケースは心理の専門家ではなく、催眠術師による誘導が原因だったようです。これらの残遺症状は催眠術師による誘導か、未熟な催眠家による誘導である時に生じています。心理臨床家としての態度と知識のあることが、これら症状を防止すると考えられます。

Q. 催眠ってやりすぎると知能が下がるって聞いたけど
A. 下がりません。

Q. 催眠にかかるのは頭が悪い人なんでしょ?
A. 知能と催眠への入りやすさ(催眠感受性)とは関係が無いようです。第一次被暗示性というのが催眠への入りやすさと関係があります。第二次被暗示性はだまされやすさと関係がありますが、催眠感受性とは関係がありません。

一般に言われていることはこういったところでしょう。それでは、もうちょっとアカデミックな立場で批判されている内容を見てみたいと思います。

1. 無分別な症状除去法によってもとの疾患を悪化させる。
2. 分離神経症、分裂病、同性愛などの精神障害を誘発する。
3. 退行を引き起こす。
4. 過度の依存を引き起こす。
5. 治療を悪戯に長引かせる。
6. 性的誘惑を促進する。

1.については精神分析的な立場から言われていることで、行動療法も同じような批判を受けましたね。実際のケースを見れば一目瞭然で、こういった現象は報告されていません。
2.〜6.については、ありえるでしょうという見解があります。ただ、それは他の心理療法でも置きうることであり、催眠のみが批判を受けることではありません。どの心理療法でも等しく気をつけねばならないところであります。

催眠も包丁も適切に使えば便利ですが、悪く使おうとしたり、使い方が下手だったりすれば、当然害となります。だからといって包丁を使うべきでないという批判が起きないのと同時に、催眠の使用も批判されるものでは無い筈です。



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